【公立高校・募集定員削減】2027年度以降の高校入試について

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早稲田スクールの個別指導
早稲田アイ・スタディです☆

今回のテーマは「公立高校・募集定員削減」について

12/3、熊本日日新聞より報じられ、熊本県全体を震撼させたと言っても過言ではないこの一報、皆様はもうご覧になりましたでしょうか?

他県では進学校と言えば私立中・私立高校という県も多い中、まだまだ公立高校への進学傾向が強い熊本県にとって、公立高校の定員削減は非常に大きな影響をもたらすでしょう。

しかも、定員割れが続く高校よりも先に、四高をはじめとした市内の普通科高校を先に減らしていくという計画は、事前に予想されていた方も少なかったのではないでしょうか。

今回は、報道内容や県のHPで発表されている内容をおさらいしつつ、今後の高校入試への影響を予想してみたいと思います。

それでは今回も宜しくお願い致します!!

参考資料:
県立高等学校生徒募集定員の見直しに関する基本方針並びに令和9年度及び令和10年度県立高等学校生徒募集定員の変更計画について

定員削減の概要

県の発表では、定員削減(募集定員の適正化)を「(1)計画的な学級減」と「(2)定員割れによる学級減」の二軸で進めていくことになっています。

2027年度(現中2の受験年度):(1)計画削減5学級200名
2028年度(現中1の受験年度):(1)計画削減5学級200名
2029年度(現小6の受験年度)以降に(2)定員割れによる学級減及び専門高校(普通科以外の高校)の計画削減を予定
2034年度(現小1~年長の受験年度)までに全県で62学級減が目標

(1)計画的な学級減

2027年度~28年度の2年間で、以下の10校で1クラスずつ定員が減ることになりました。

四高が定員割れするなんてことはよほどのことがなければあり得ないとは思いますが、なぜ定員割れする予測もないのに削減の対象となったのでしょう?

以下は県の発表からの抜粋です。

全県的な視野に立ち、普通高校・専門高校にかかわらず、また、募集定員充足の有無にかかわらず、全校を対象に計画的な学級減を実施する。
(1)令和16年度までの中学卒業予定者の減少数が最も大きい県央学区を先行して実施する。
(2)1学年あたりの学級数が多い学校から、普通系高校を先行して実施する。
※令和11年度以降、専門高校も実施予定。

要約すると
 ↓
熊本市内で、普通科で、学級数が多い高校、を先行する
 ↓
四高、北高、東稜など人気の高い進学校があてはまってしまった

ということです…。

計画削減の予想① 普通科で1クラス減

先述のように普通科を先行して定員削減を進めているため、普通科の定員を40名削減し1学級減らす、というのが最も有力な予測です。また、普通科普通コースのみの高校(今回の対象では熊本高校、済々黌高校、玉名高校、人吉高校)はこちらで確定とみてよいでしょう。

計画削減の予想② 学科やコースの統廃合

まだ削減学級数が発表されただけで学校ごとの内訳が決定されたわけではありませんので、例えば、

理数コース40名、英語コース40名
→理数コース20名、英語コース20名で1クラスに再編成

のように、普通科普通コース以外のコースを削減する可能性も0ではありません。(定員割れが続く高校ではすでに選択肢の1つとして採用されています。)

7月に具体的に削減される学科やコースが発表されることになっています。新しい情報が入り次第お伝えします!

(2)定員割れが続く高校への対応

県の発表によると、上記の計画削減をしている間に、定員削減に関する方針や規定関係を定めるとしています。
すでに倍率の高い高校ですら削減対象になるくらいですから、当然こちらも削減を進めることになるとは思います。特に、人口減少が著しい市町村や、郡部でありながら熊本市内への交通の便がよい地域では、地元の高校に進学する生徒が急激に減っています。

その地域の高等教育を担う高校。主要産業に合わせた学科設定や地元企業との関わりなど、高校ごとに工夫した運営がなされています。運営にかかる税金など課題は多いでしょうが、数値だけを基準に安易に縮小したり閉校したりすることにならないよう願うばかりです。

定員削減の影響予想(削減直後~)

公立人気校の競争激化

普通科普通コースの定員削減による学級減となった場合、昨年度同様の志願者数であれば、入試倍率は当然上がります。

☆定員削減後の倍率変動予想(2025年の志願者数から算出)
 熊本高校:1.50倍→1.65倍
 済々黌高校:1.48倍→1.61倍
 第一高校:2.05倍→2.34倍
 第二高校:1.54倍→1.76倍
 熊本北高校:1.53倍→1.74倍

私立高校の競争激化

上記の倍率変動に伴い、すでに高まりつつある私立高校への進学傾向がさらに加速する可能性があります。公立高校の競争が激化するなら早めに私立高校に決めてしまおう、という流れです。
特に、今回削減が決まっている10校と偏差値的に近い高校(真和・学付・九州学院・マリストなど)の専願入試を受験したいと考えている生徒は要注意です。専願入試は奨学入試よりも合格人数の上限が明確であることが多いので、受験者数が増えれば今までは合格できた成績でも不合格になる可能性が高まります。

数年後の人口減少を見越しての対策ではありますが、削減直後の入試では公立高校・私立高校問わず、厳しい戦いを強いられることになりそうです。今までの「この成績なら合格するだろう」が通用しなくなっていきます。

現中2、中1生は油断せず、常に先を見据えた学習を続けていきましょう。

定員削減の影響予想(数年後~)

少子化に伴うさらなる定員削減

現在の計画では62学級減を目標にしているため、さらに52学級が削減されるということになります。
現在、県内の全日制公立高校は約50校なので、平均して1校1減です。今回1学級減った高校でもさらに減る可能性が十分あります。

令和11年以降の削減案はおそらく令和10年内には発表されるかと思いますので、続報が入り次第お伝えします!

国の高校入試方針の適用

今年の春から夏にかけて発表されていた県の高校入試方針の刷新案(公立高校の選抜日程の統一や普通科にも特色選抜を設ける案など)が白紙に戻された、という報道がありました。こちらは、国が現在策定を進めている入試制度の決定を待ってから県内の入試制度を改めて議論するため、とされています。

国が策定を進めているのは「デジタル併願制」という仕組みです。
現在、熊本県が採用しているのは「単願制」と呼ばれ、1校を受験して不合格になったら、たとえ他の高校なら合格できそうな点数であったとしても公立高校に進学することはできません(二次募集を除く)
デジタル併願制では、公立高校も第一志望・第二志望…と複数出願し、第一志望は不合格だけど第二希望の高校は合格です、という合格のしかたが生まれます。

前総理の時に発表された方針のためこのまま進むのかは不透明な部分も多いですし、その策定を受けてから熊本県に合わせた制度が整備されていくので、数年後ではあるでしょうが先行きが今は見通せません。現在小学生の方々が高校受験を迎える頃までには何かしらの形になっていてほしいところです。

まとめ

公立高校定員削減について、2025年12月時点で発表・報道されている情報をまとめてみました。

今の中3と中1中2、今の中学生と小学生では全く異なる入試制度・受験対策になる可能性があります。

先が見えない中でもできる唯一のことは、今学んでいる内容を取りこぼさず身につけていくことだけです。「分からないけどまあいいや」で終わらせず、「分かる」から「できる」まで仕上げていく学習を、アイスタで続けていきましょう!

新しい情報が入り次第、少しでも分かりやすくお伝えできればと思います!

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次回もお楽しみに( ‘v’)b

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